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相手を立てれば、蔵が建つ

最近読んだ本に中條高徳氏の「日本人の気概」があります。

歴史や礼節を忘れた日本人を嘆いている本ですが、この著者の中條氏(アサヒビール名誉顧問)はキリンビールが6割のシェアを超える業界から、その牙城を崩すことに果敢に挑戦し続けて、ややもすれば自信を失いがちな社員に語りかけた「相手を立てれば蔵が建つ」の十か条が下記になります。

最近、本当に相手のために行動している人は少ないと感じます。
基本的な思いやりがない人が増えてきています。

それをやることで相手がどう思うのか、それを言うことで相手がどう傷つくのか
分かっていない人が多い気もします。そこが商売の本質になっていることに注意していかないと
企業の存続にかかわります。会社・自分自身を律するためにも必要な十か条ですね。

一、「愛」は人を立てる最高のもの

「愛」は相手の立場になって考えることが基本。お客さまを好きになれ。「思いやり」は相手の立場に身を置き換え、思いやることを意味する。見返りを一切求めない母親の子を思う「愛」は最高であり純粋。

二、「礼」は人を助け身を助ける

人は一人では絶対生きられない。相手を強く意識する心が「仁」だ。仁は「人間は二人」と書く。「仁」そのものは目に見えない観念であるが、それが形になって現れるのが「礼」である。お礼はゆっくりていねいより、簡単でも早くせよ。電話よりFAXがいい。

三、約束を守れ

約束を守るだけで相手は大事にしてくれていると思う。「いずれそのうち……」という約束こそ、きちんと守れ。守れないような約束は絶対にしない勇気を持て。

四、叱られ上手になれ.負けるが勝ち

いくらヘマをしても叱られ上手なら引き立ててもらえる。叱られたらより近づけ。叱ってくれるのは、君に関心を持ってくれている証拠だ。

五、相手にとって気の重い仕事こそ、気軽に引き受けろ

気の重い仕事も、二人で担えば軽くなるものである。

六、「お世辞」に心が通うかは「真顔」で決まる

口は人を褒めるためにあると思え。真剣に考えた「褒め言葉」ならへたでも通ずる。美点凝視せよ。
「褒め言葉」の乱発は逆効果。「褒め」と「へつらい」の区別が分かる人間になれ。
褒められて気を重くする者はいない。面と向かった「お世辞」より陰の「お世辞」に偉力あり。

七、教えられたことはすぐ実行せよ

教え甲斐のある人と思われよ。講演や著書の感動をそのまますぐお便りでくださる人が随分いる。筆者は可能な限りすぐ返事を書いて励ます。感度良好は相手を立てる。自分を下げれば相手は上がるのは極めて分かりやすい理ではないか。

八、先手必勝

自分からかける挨拶は、返す挨拶の数百倍の価値がある。
「礼」の国ニッポンで、我々は昨今挨拶の尊さを忘れかけている。挨拶は一文の得にもならないと考える輩が多い現実を考えると、「積極的な挨拶」の価値は大きい。

九、人を立てるのがうまい人は、「時間の我慢」「好みの我慢」を知っている

相手の心がどう思うか、どう捉えるか。こうした慮(おもんばか)りを表す最もすぐれた日本語が「側隠(そくいん)の情」であろう。相手の立場に立って物事を考え、そして憐れみ、心を痛め同情する心の姿をいう。
いくら面白いと思っていても、自分の話は半分以下にせよ。しゃべりたくとも、アサヒビールを売ってもらうためにひざをつねって抑えろ。つまり「聞き上手」になれ。

十、相手の気分をよくさせることが相手を立てる第一歩

立てたい相手は女房、子ども、犬でも立てろ。西洋に生まれた聖書は「せられんと欲することを悉(ことごと)く相手に施せ」と積極的に説き、我々東洋の先哲は「己の欲せざる所人に施す勿(なか)れ」といささか消極的だが、双方とも「相手の気分をよくさせることこそ大切」と共通している。

これが日本のビール業界の不可能を可能にさせた戦略の一つです。
こんな単純なことですが、これを徹底的にやるのは難しい。

2015年09月22日 | 社長ブログ